佐渡を車で走っていると、あちらこちらの道脇で、お地蔵さまの案内を見かけます。
今日は、思い立ってお地蔵さま巡りをしてみました。
まず最初のお地蔵さまは、
目洗い地蔵。
目に疾患を持っている私には、ありがたそうなお地蔵さまです。
相川・達者地区の方々に大切にされているようすで、
お花が添えられ、きれいに掃除がゆき届いていました。
今から千三十年ほど前から伝わる話ですが、
森鴎外の小説「山椒大夫」により、知られるようになった
救いのない悲しい物語。
艱難辛苦の末に、母は盲目となりましたが、
ここで目を洗うことで、再び光を与えられ、
厨子王と見つめ合うことができた‥と。
お互いが「たっしゃ」で生きていたからこそ、再び会うことができた‥。
この地名の「達者」の由来も、
この物語からそうな。
次のお地蔵さまは、赤泊・草木地区
味噌舐め地蔵。
赤泊・草木地区の味噌なめ地蔵は、
お口に味噌を塗って、
長寿とゆったりとした暮らしができますように
お願いするそうです。
真野・新町のお地蔵さまは、
大人とほぼ同じ背の高さ。
言われ書きもなく、名前もわかりませんでした。
このお地蔵さまも、いつもお花が供えられ大切にされています。
道端で佇むお地蔵さま達は、
まあるいお顔をして庶民の生活と共にあります。
屋根の覆いも、囲いもなく、衣装に飾りもなく佇むお地蔵さま達。
お供えの花は、道端に咲くタダの花だったことでしょう。
生活の貧しさや病の苦しみや悩みを、お地蔵さまに聞いてもらうことで、
心が前向きに回復したり‥
生活のすぐ側にあった祈りの場。
お地蔵さまに相談しても、ホントは問題の解決にはならないし、
お地蔵さまは代わってはくれない‥。
ですが、
生き方を「自問し自答すること」で、「覚悟を決め納得する」までを、
誰かに代わって、いつでも耳を傾けてくれるお地蔵さま。
困ったことは、キリなく起こります。
佐渡のあちこちで、お地蔵さまは今日も、
相談を受け付け中かも知れませんね。
学問的な意味はよくわかりませんが、近所のお地蔵さまの前を、
「行って参ります」
親しみを込めて、挨拶して通っています。
2009年秋、佐渡へ移住。
「佐渡の特産を使い、昔から食されてきた柿餅を、佐渡のお菓子として多くの人に知ってもらいたい」という想いから、商品化に乗り出しました。
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