その昔、農家の主婦はどれほど忙しかったのでしょう。
畑に野菜を作り、毎日水やり、草取り、収穫、加工し保存。
大家族の食卓を賑やかにしようと、工夫を重ねた漬けものを毎日並べてくれていました。
「ウチの婆さんの漬けものは美味い。」
この言葉は、家族からの最大の褒め言葉。お婆ちゃんへの感謝だったのでしょうね。
田舎に戻り、漬けものを自分で作る楽しみを覚えました。
先生は、母であり、隣のお婆ちゃん達です。パソコンで検索すれば大勢の知恵が集まってもいます。(便利な世の中。全国の婆ちゃんというか先輩方が教えて下さいます)
色々な漬け方があるようですが、まずは昔からの基本のやり方で。
後はよ~く熟成するのを待つだけ。 素材の出回る時期を逃さないことがコツ。
佐渡はもち米を使った団子や餅をよく食べます。
祝い事のある時、祭りの時、農作業などの区切りの時おやつとして。
今日は、笹団子をいただきました。
出来立てでなく、夜まで待ち、きなこをつけて食べると美味しいのです。
笹の香りが蒸かした餅米に移るまで待ちます。
あ~待ち遠しい。美味しくなるまであと少しです。
もう一つの団子は、よもぎを米粉に練りこみ、小豆の餡を入れ、更に笹で包みます。
イ草でくるくると巻き、蒸かして出来あがり。
こちらも笹の葉とよもぎの香りが、美味しさを倍増させます。
おばあさんが事ある毎に作ってくれた、懐かしいおやつです。
若い笹の葉が出始める今は、香りがさわやかで、おいしい季節の味です。
2009年秋、佐渡へ移住。
「佐渡の特産を使い、昔から食されてきた柿餅を、佐渡のお菓子として多くの人に知ってもらいたい」という想いから、商品化に乗り出しました。