東京から叔父が遊びに来てくれました。
元気なうちに、兄弟とも会って食事でも共にしようとのこと。長兄である父は八十八歳。兄弟四人が集まれるのは幸せなことです。春ならではの田舎の山菜料理と、地のものの刺身・何は無くとも故郷のお煮しめで乾杯。
ご馳走は、うど・筍・わらび・タラの芽和え・よもぎの団子・生わかめなどを少しずつ。春の山菜は、少しほろ苦く香りと食感がよく楽しいものです。
佐渡散歩として、石名と和木を結ぶ開通したばかりの遊歩道へ一緒に出かけました。
両津の和木から入り、整備された遊歩道入口からはゆっくり散策して小一時間程。目的の仰ぎ見る大杉は、生命力を漲らせてとてもみごとでした。珍しい山野草がひと所に咲く貴重な散歩道では、小さな花にも案内があるともっと楽しめるような気がしました。
守られてきた大自然が、身近に親しめるのは嬉しいことです。
…が、山野草や大杉の根元も今までのように、大切にしてゆかなければと思うのです。写真を撮るためか、杉の根元にたくさんの足跡が見られたので、少し心配でもあります。
傍にいつもあると、そうと気づかないで暮らしているもの。
「ここにその木があるそうですね」と、わざわざ訪ねて来られた方に教えていただきました。
特に名前も知らないまま見ていました。
もくれん科・北アメリカ東部が原産。背丈が高く育ち、インディアンはカヌーを作ったりしたとか。佐渡では珍しい百合の木ですが、公園や街路樹として植えられている所があるそうです。また、葉っぱや花の形から、チューリップの木・軍配の木・奴凧の木などと呼ばれるそうです。
苔玉に花を植えたり、自然を凝縮してミニ盆栽に表現する楽しみがあります。
身近な花や木を、握りこぶしほどの大きさの中に自然を写しとった可愛いひと鉢です。育てることを楽しむ人と、眺めることを楽しむ人。それぞれに小さな緑を見つめています。
五月晴れは、柿餅の天日干し日和り。干し柿ともち米だけで作った柿餅をのし餅にして、薄く短冊状に切ります。
これを天日でほどよく乾燥させますと、佐渡銘産「柿餅揚げ」においしく変身します。
五月晴れって言うのは、今日のような日のことでしょうか。
一の宮神社の横に、植物園があります。藤棚の下に立つと濃厚な花の香りと、忙しく飛び回る蜜蜂たちの羽音がブンブンと耳元で聞こえてきます。
2009年秋、佐渡へ移住。
「佐渡の特産を使い、昔から食されてきた柿餅を、佐渡のお菓子として多くの人に知ってもらいたい」という想いから、商品化に乗り出しました。